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『人間・この劇的なるもの』(福田恆存/新潮文庫)
福田恆存の代表的な文学論、演劇論であり、そして人間論でもある。まず単純に、これが復刊されたということが嬉しい。佐伯彰一の解説に加え、坪内祐三のエッセイも今回新たに加えられている。字のサイズも中公文庫版に比べて大きく読みやすく、広くおすすめできる一冊。 坪内祐三が「青春の一冊」という言葉を使っているけど、私にとっても「青春の一冊」だったのかな、と思う(坪内の言う通り、「微妙な意味を持った言葉」ではあるけれど)。二年ほど前、空間コミックビームという漫画雑誌のコミュニティサイトを辞める少し前に私はこの本を読んでいた。当時は福田恆存を「右翼のドン」ぐらいにしか思っていなかったから反抗心を強くして読んでいたけど、読んでいくうちに何かひっかかるものがあったのかなと思う。少なくとも、直後にあった個人的な体験をきっかけに、「信頼」ということを多かれ少なかれ考えるようにはなっていた。福田恆存に本格的に興味を持ち出したのは、晩年の作である『人間不在の防衛論議』(新潮社)を読んでからのこと。 『プリンシプルのない日本』(白洲次郎/新潮文庫) 吉田茂の懐刀と呼ばれ、少し前にブームになった(と思う)白洲次郎。個人的には「プリンシプル(=原則)の欠如」というのは言われるまでもないこと。白洲次郎そのものというより、白洲次郎が求められていることのほうが興味深い。 『新・日本語の現場 1〜3・6〜8』(読売新聞社) 読売新聞朝刊に連載されている同名の連載をまとめたパンフレットで、無料だということもありチェック(参考、ちなみに6冊頼んで送料は210円ほど)。最新刊となる8巻には外国人向けの「日本語」という話があり、その中でルビについて触れられていた。ここでは具体的な結論を出してはいないけれど、個人的にはやはり総ルビがいいかなと思う。山本夏彦が総ルビのおかげで子供の頃から文学に親しめたということを語っていたが(久世光彦や向田邦子も同じようなことを言ってたとか)、同じことがここでも言えるんじゃないかな、と。 |
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あらためて、あけましておめでとうございます。
読書記録5冊。 『隠居の日向ぼっこ』(杉浦日向子/新潮社) 著者の没した1年後に出版された一冊。図書館で借りてきた本だから表紙にはビニールがかけられてしまっているけれど、ハードカバーでありつつも軽量級の装丁が洒落ている。簡潔な文体の中に、月並みな表現だけど「心」が籠っているのがいい。 |
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読書記録11冊。漫画サイトで漫画以外のものを載せるというのはあまり得策ではないのですが、サイトを「漫画だけ」にするというのはどうにも抵抗があるのです。11冊ですので、そこそこ分量あります。
『妻と私』(江藤淳/文藝春秋) 著者の死んだ妻について綴った随筆で、これが発売された二週間後に著者も自殺したと聞いています。この文になぞらえて書けば、江藤氏自身もまた「死の時間」に囚われてしまったというところなのでしょうか。それほど熱心な読者でもないんだけど、何か気になるところがあり、ただいま『一族再会』(講談社)に手をつけているところ。 |
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『水滴』(目取真俊/文春文庫)
けっこう前に芥川賞を受賞した作品。「夢」の世界、言いかえれば純粋な想像力というのは基本的に面白いもので、そういう点では根本的に全く受けつけないというものではないんですが、個人的にミスマッチではあったかな、と。自分より上の世代(例えば戦争経験者の世代)が読むとまた印象が違うんだろうな、ついでに言うとこれ、映画にしやすいだろうな、と思いました。「風音」「オキナワン・ブックレビュー」を併録。 『文学論』(上下巻/夏目漱石/岩波文庫) まだ全然読んでいる途中ですが、なかなか面白い感じなので。もっとも、こういうところで感想を書く本というよりかは「勉強する本」です。文学を社会学・心理学の側面から解明しようと試みた作ですが、独特の文体も相俟って内容は非常に難解。夏目本人はどうやら失敗作だと言っていたらしいですが、文学の様式を「F+f」(認識的要素と情緒的要素)として表現するなど、中々興味深い話もあります。 『曾根崎心中 冥途の飛脚 心中天の綱島』(近松門左衛門作、諏訪春雄訳注/角川文庫) 人形浄瑠璃の世界というのは全くと言っていいぐらいわからないのですが、書店の棚でなんとなく気になってみたので買って読んでみる。現代語訳で読んだのですが、浄瑠璃はどうやらナレーションとなる詩がベースとなって進行していくもののようです(よく解っていませんが、それぞれに台詞が与えられているような人形劇とは少し違うんじゃないかと)。それはともかく、「曾根崎心中」が素晴らしい。話も比較的短いし、粗筋を読んだ限りでは「ちょっと単純かな」と思ったのですが、思わず情が移ってしまいました。 『日本史を読む』(丸谷才一、山崎正和/中公文庫) 各章ごとに何冊か本をピックアップし(後述)、それを土台にして色々対談するのですが、そこから生まれる解釈は良くも悪くも個性的。作家・文学者としての想像力を強く感じます。 挙げられている本を並べてみたら内容について多少類推がつくんじゃないか、ということで、追記のほうで列挙しておきます(刊行年は省略)。たとえばこれみたく、以前から思いつきだけでこういう大変なことをしてしまうことがあるのです。この中では『「いき」の構造』(九鬼周造/岩波文庫)だけは読んだことがあります。『影武者徳川家康』は漫画にもなっているので、なんとなく読みたいと思っているのですが… |
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